僕らが悠三堂を立ち上げたのが2016年。その頃はまだ就農してたで、アルバイトも掛け持ちしながらその日をなんとか凌いでました。長男が2015年に生まれて、これからどうして生活をたてていったらいいのか、不安と期待とその生活を楽しむ狂気と、入り混じった不安定な日々を送っていました。
それから7年経って、生活も少しづつ安定して、僕も不安定な日々にも十分に慣れてきました。子供も3人増えて、4人になりました。妹も結婚して、母の孫は合計で5人に。使えるキャッシュも増えたので、モノを買ったりすることも以前よりは容易くなった気がします。
人生の最底辺から少しづつ向上し続けて、思うことは、「豊かさの中に貧しさあり、貧しさの中に豊かさあり」ということです。貧しい時は本当に金銭的に豊かになりたいという強い思いを持っていました。少しづつ豊かになってお金で買えるものが増えるにつれて、何かを作り出す意欲や家族や仲間となんとか生き抜こうとするハングリーさが失われつつあることを感じています。失われて初めて気づくというのが、人間の常。貧しさの中にあるときにこそ、豊かさに気づけることが幸せを感じる感性を磨いてくれるのかなとのんびり考えています。
僕の父は優秀なサラリーマンで、上場企業でバリバリ働いていました。そんな父が病気で会社に行けなかった二年間。ちょうど僕が小学生の2ー3年の時でした。母がアルバイトを掛け持ちして、糊口をしのいでいた時、一つの納豆を、一匹の魚をみんなで分けていたこと、マヨネーズをご飯に乗っけて食べていたこと、なぜかいい思い出として時に心に浮かんできます。