仕事と家族事
父と母に伝えたかったこと
昨年、母が大病をしました。進行がとても早い、脳腫瘍でした。6月に病気が発見されて、加速度的に病状が悪化しました。6月末には自力で立てなくなり、家族で母の介護にあたらないといけない状況になりました。妹も0歳児を抱えていて、僕も3ヶ月後に控えた4人目の出産のこともあり、親の介護と子育てに挟まれて人生で一番と言ってもいいほど難しい日々を過ごしました。動けなくなって横たわっている母親を見ながら、「普通のお母さんでよかったから、もっと一緒に入いてほしかった」と手を握りながら、涙を流しました。
幸い、母親が最終的には手術を決意してくれて、今ではほとんど病気になる以前と同じように動けるようになりました。昭和と平成を僕らを抱えて全力疾走してくれた父と母。病気がわかった時、母は65歳、僕は父も54歳の若さでなくしています。子供から見ても、両親は真面目でいい人だったのに、こんなに早く逝かなければならないのか。母の病気から生き方を考えるようになりました。
真面目さよりも大事なこと
父は会社で、母は自分が所属している組織で、一生懸命に真面目に働いてきました。家には兄弟だけしかいない日もありました。僕は長男として、妹と弟の面倒を見ながら、1日を過ごすことが多く、小学生の時には、自転車で弟の幼稚園まで迎えをしていました。「信用している」とか、「信頼している」とか、両親からかけられる言葉は自分にとっては重く、いつしか両親に自分の心を素直に打ち解けられなくなっていました。そして今でも、僕は、年上の人にうまく甘えることが苦手です。父と母に当時言いたかったこと、「それほど頑張らなくていいから、もっと家族と時間を過ごしてほしい」
お金に心配なく、学ばせてくれた父とその後の人生に選択の自由を与えてくれた母に文句は何一つありませんが、幼い時に伝えたかったことは今でも変わらずに僕の心に残り続けています。
家族が幸せであるほど仕事はうまくいく
そういう両親のもとで育った僕も本質的には、仕事人間なのかもしれません。それでも幸いなことに30代で経営者になれて、仕事と心の問題に早くから取り組めたことで、仕事と両極にある家族事の大切さに気づくことが出来ました。家族が幸せを感じれば感じるほど、僕の仕事もうまくいくように感じています。自然や家族との関わり方から、心の豊かさを生み、それが仕事を円滑に進められるようになること。やり方よりもあり方が大事だという二つ前のブログと繋がってきていますね。
二つの笑顔の循環モデル(家と仕事で豊かに)
父と母の世代の、働くことを優先して家庭は後回しという考え方。僕らが生み出しつつある、仕事と家族事を心を介して循環させるという考え方は、やっぱり大きな違いがあるように感じています。人のこころは測り難い問題なので、ここでは心の豊かさ→笑顔として取り扱います。笑顔は伝染するものと僕は思っています。
【家庭内での笑顔の循環モデル】家族事
僕の笑顔→家内の笑顔→子供の笑顔→僕の笑顔
【仕事での笑顔の循環モデル】仕事 僕の笑顔→働いている人の笑顔→お客様の笑顔→僕の笑顔
この二つの循環モデルの中心に位置するのが、 僕の心の豊かさ=笑顔です。それを月と太陽の動きのようにうまく二つの循環モデルに当てはめていくことで、昭和の時代には蔑ろにされがちだった「家族事」を大事にする生き方が肯定できるかなと思ったりします。「家族事」を大事にする方が「仕事」がうまくいくというモデルをたくさん作っていきたいと思っています。
僕らの心や体も自然
父と母には最大の敬意と感謝。母の病気をきっかけに、今まで蓋をしていた感情が溢れてきて、昨年の後半はなんだか辛い時間を過ごしてきました。酸っぱいレモンから美味しいレモネードを作るのが人生です。父と母が頑張ってきてくれてたから、今の僕があり、家族があります。その感謝は忘れずに、僕はもっと頑張らない大人になっていきますね。自然にリズムに沿って、体も心ももっと力を抜いていきます。
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