夏休みがある会社
7月も後半を迎えました。お茶刈りもほとんど終わり、これからちょっとずつ紅茶をつくったりはするかもしれませんが、今シーズンのシーズン2は、これをもって一区切り。5月から長く続いてきた流れが、いま終わりを迎えようとしています。
今日は、瞬間的な感動を追いかけるのではなく、長く続けられる会社をつくりたい、という話をしてみたいと思います。
8月は、子どもたちと
8月は、ゆったりと。できるだけ子どもたちと遊ぶ時間をつくりたいと思っています。
昔読んだ、自然農法の福岡正信さんの本に、こんなことが書いてありました。昔の百姓は、正月とお盆はゆっくり休んだ。僕はこれに、すごく影響を受けました。
専業農家になって、休めなかった時期もありました。でも最近は、1月と8月は、子どもたちとの時間と、自分の体の養生のために取る。そういう流れを、つくれるようになってきました。
夏休みがある会社。それを、あらためて実現しようとしています。
リセットして、また始める
やってみて、メリットは確かにあったと思っています。
ひとつは、ゆっくりと子どもたちと遊ぶ時間、家族で過ごす時間が持てること。もうひとつは、一旦リセットして、9月からまた次のシーズンを頑張れることです。
3月から、5月から、ずっとやり続けてきているので、どこかで頭を切り替えることが、すごく大事だと思っています。やり続けていると、煮詰まってくるし、溜まってくる。見えないところでリフレッシュすることで、脳みそが少しフリーになって、新しいいろんな挑戦を考えられるようになる気がします。
休んでもいいし、働いてもいい
夏休みがある会社、といっても、全員一斉の休みではありません。
社員は、2週間ほど適当に休んでもいいし、仕事をしていてもいい。そういうかたちにしています。もちろん、お茶の発送は随時続けますが、休みたい人がゆっくり休めるような体制を取っています。
日本では、お盆休みは短いのが普通です。でも僕らはインターナショナルな会社なので、バカンスのような長い休みを取りたいという声もあるし、僕自身にも、その欲求があります。みんなが長い休みを取る必要はないけれど、取りたい人は取ってもいい。そういう感じにしています。
1チーム4、5人ほどの小さな所帯です。会社が人から100パーセントを搾り取ることはできない。それが大きな理由でもありますが、それ以上に、リフレッシュして体調を戻すことが、とても大事だと思うのです。
8月は、構想を練る月
だから8月は、あまり作業を入れないようにしています。
以前はアメリカやヨーロッパに出かけたりもしていましたが、いまは円安と子育ての関係で、なかなか行けません。だからこそ、体を整えて、体力を戻して、すっきりした状態で9月を迎える。激しい作業はしない。それよりも、新しい展望や構想を練る時間にしたい。そんなふうに使いたいと思っています。
高度成長期型ではない、働き方
産業革命以前の農家の働き方。ヨーロッパの休みの文化。その両方を取り入れながら、僕はずっと、第二次世界大戦以降の高度成長期に確立されたような働き方ではない働き方を、模索し続けています。
週2日や週3日で働くこと。限られた時間の中でやっていくこと。その制限の中でやっていくこと自体が、1つの価値だと思っています。
頭が休まるとか、体が休まるとか、体が疲れるとか。自分を労働力としてどこまで切り詰められるかという視点ではなく、自然と交わりながら、自分たちの健康も担保しながら働くとはどういうことか。それを、ずっと考え続けています。
自然栽培のお茶づくりを、ただしているだけではありません。自然に基づいた、新しい家族の在り方、働き方、教育の在り方。そこまで含めて、つくっていきたい。自然栽培をしていても、労働条件が厳しくて、みんな辞めてしまったら寂しい。だからそこをきちんと整えていくことが大きな課題だったのですが、なんとか無事に乗り越えられそうです。それは、良かったことだと思っています。
小さな農家の、面白い時代
いま、AIがどんどん発展して、インターネットも急速に発展して、時代が大きく動いています。個人の農家にとって、実はすごく面白い状況になりつつあると感じています。
この時代において、個人の、小さな農家として、一体何が使えるか。何ができるか。自分たちの利益をどう拡大するかということよりも、地域社会の資産——茶畑という資産の維持と、人々の雇用と、世界の人に日本の魅力を届けること。そこにどう貢献できるかを、考えられるようになってきました。
そのために、時代に合ったやり方を避けて通ることはできない。それは強く感じています。ツールとして使えるものは使っていく。そのうえで、今までの凝り固まったあり方ではなく、もっとフレキシブルに、多角的に、メンバーみんなで仕事をしていく。それがどういうことなのかを、考え続けたいのです。
お茶をつくっていること。お米をつくっていること。お酒をつくっていること。その全部に、この働き方が、うまく浸透していけばいいなと思います。
朝のルーチンと、週20時間
いま、次に挑戦していることがあります。
毎朝2時間の仕事を、ルーチンとして続けること。そして、労働を週20時間に抑えること。この2つです。朝のルーチンが回って、週20時間の枠が守れて、そこにプラスして自由な仕事を入れていくことができれば、僕は個人的には、もう十分に満足なのです。
それ以外にも、思いついたアイディアやインスピレーションは、すぐに実行しないと忘れてしまいます。それをどんどんかたちにしていくために必要なのが、AIの力と、人間の力なのだと思っています。
夏休みがある会社。休むことも、仕事のうち。8月の静けさの中で、次の構想を、ゆっくり練りたいと思います。
Dejar un comentario